『鬼滅の刃』 イスラム教のアザーンを音源として不適切使用 なにがそんなに問題なの? 

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テレビアニメ『鬼滅の刃』が日本だけでなく世界中を斡旋しているこんにちの世の中で、ある宗教的問題があったとして『鬼滅の刃』ブルーレイとDVDの第4巻の出荷停止と回収を正尺会社のアニメプレックスが発表しましたね

問題になった原因は『イスラム教の中でも神聖なものとされる「お祈り」をするための「アザーン」と呼ばれる呼び声、いわゆるキリスト教で言う、聖歌のようなものを無断でBGMに使用した』ということです。

でも宗教感覚があまりない私たち日本人からするとこれがどれだけの問題でなにがそんなにダメなことか分かりにくいですよね

そこで珍しくもイスラム教徒の日本人である私がこれについて解説していこうと思います

そもそもこのお祈りのために使われるアザーンというイスラム教特有の呼び声は楽器を含む音楽(声だけによる音楽は可とされている)と共に流すことはイスラム教の中で厳しく禁止されています

イスラム教徒は一日5回必ず5分ほどのお祈りをするのですが、それぞれその5回のお祈りを知らせるのに、モスク(イスラム教の寺院)やケータイのアプリでこのアザーンが流れるようになっています

ちなみにこれがアザーンです。

初めて聞く方の中には怖いっていうイメージ持つ方もいたり、逆にすごい落ち着くという方がいたりまちまちですが、イスラム教徒からするとこのアザーンの音源をいじったりすること自体が自律神経的にできないほど神聖なものなんです

最近、日本では若者にも仏教に関心を集めたいというのでDJ remixのようなお経、いわゆる「テクノ法要」など新しくアレンジしたりしていますが、もしイスラム教徒の中でこれをしようものならすぐ止められます

ちなみになんですけど、アザーンを音楽とミックスしてBGMとして使用することは日本で例えるなら神社に向かって小便をかけるかそれ以上の衝撃的な事件なのです(これはマジです)

今度は先ほどの本家のアザーンと『鬼滅の刃』DVDの第4巻に使われているBGMとを聞き比べてみてください

(翻訳)

素晴らしい音楽を作っていただき本当に感謝しています。しかし「竈門炭治郎 次の地へ」のトラックの中の一つにイスラムにとって大変神聖な音源を使用されました。

このアザーンと呼ばれるイスラム教の教えの中の一番大切な5つのルールの内の一つを破っていることになり、私たちイスラム教徒はすごく辛く感じています

ですのでできるだけ早く修復していただけるとうれしいです。応援しています。

必ずしもイスラム教徒の人たちは「自分たちの文化が間違って使われていますよ、」と指摘しているだけであって鬼滅の刃やアニメを侮辱しているわけではなく、彼ら自身、鬼滅の刃を楽しんでいる内の一人のファンとして指摘しているのですね

公式の謝罪とアザーンを含んだBGMの撤回でイスラム教徒からは「ありがとう」の声が寄せられています

ちなみにイスラム教徒が多い地域や国ではこのように日常的に礼拝の時間になったらアザーンが流れます

これまでザーッと話してきましたが、やはり日本にはアザーンといったものが存在しないので、「イスラム教徒が日本のアニメを侮辱してる!」や「紛争ばっかりのイスラム教徒の音源をアニメで使ってあげてることに逆に感謝しろよ」とかいう声が日本で挙がっているのを多々見かけますが、このような批判をしている人たちは自分の文化が汚されるたら一番に怒るタイプの人間だと思います

本当に日本人としての屈辱だと感じますね

海外の文化の知識不足で叩かれるのはしょうがないけどそれぐらい『鬼滅の刃』が世界で知られているということの裏返にもなります

海外で日本の間違った文化が広まっているのを私たち日本人が危惧するのと同じように海外から見て自分の文化を間違って日本人によって利用されるのはやはり大きな問題につながるものです

ですのでこれからはアニメ業界だけでなく、歌や芸能業界などでも多少の海外についてのタブーや知識を持っていることは大事なんでしょうね

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